BSテレ東で男はつらいよが放送されていた。ちょろっと見てて気づいたが、我輩は男はつらいよを一度も見たことが無いのであった。
話は、叔父夫婦の経営する草団子屋に、どっか放浪してたのか知らんが(寅さんは放浪する生き物という認識)、寅さんがフラフラ雨の中帰ってきたところから始まった。
その帰ってき方がまあウザい!
雨の中全然入ってこんもんだから、叔父夫婦が、おい入ってこんけど?何してんだあれ?声かけてやればええのんか?いやいや気まずくて入ってこれないんやな、とりあえず気づいてないふりしてやろう、みたいな感じで、寅次郎の気持ちを推量り(これが本物の忖度)、ようやく変な動きで入ってきてうんうん咳払いして気づいてほしそうにしている寅次郎に、叔父夫婦、おお!寅さん!よく帰ってきたな!と挨拶し…と、
あーーーー!なんやこの寅さんとかいうやつ!!めんどくせぇええええ!
なるほど、寅さんってウザくて面倒くさい奴だったんやな、と思いながら見ていたが、その後も寅さんは激しく面倒なやつだった。
この草団子屋の二階、元々寅次郎の部屋だったらしいな。でまあ帰ってきて早々、ちょっくら二階で寝てくるわ、という寅さんに、叔父夫婦はえ、ちょ、二階は今アカンで…と止める。
なんでい!俺の部屋でい!みたいな感じの寅さんに、叔父夫婦は言いにくそうに「二階は今貸してるんだよう」と言った。そりゃそうだ、空けてたら勿体ないしな、いもしない人間待ってないで貸した方がどう考えてもええやろがい。
だが寅さん、貸したって!?ええ!?ああそうかい、俺には帰る場所もないんだな、俺は俺は俺は、と半ギレで拗ねだす(勝手に他人に貸しやがってみたいな事も言ってたかもしれんし言ってなかったかもしれん)。
いやお前がいなかったから悪いんだろうが!?と思いながら見ていれば、そんな寅さんに叔父夫婦は、いやそんな事はないよそんな事は、と、フォローを入れている。放っとけよもう。
つかこの叔父夫婦、寅さん帰ってくる直前まで、アイツしばらく帰ってこんやろ(笑)、みたいな事を言ってたんだけどね。叔父夫婦、この寅次郎にめっちゃ気遣ってんなぁ、と思う。
そうこうしているうちに、入居者(美人)登場。
美人を見た寅さん、あからさまに態度が急変。まあ美人来たらそうなるのもしゃあないしなんとなく寅さんは美人に惚れて失恋するものってのは知ってたので驚きはないのだが、それはそれとして、叔父夫婦に対する態度は変わらず終始悪すぎる。
例えば、美人と草団子屋でお茶飲みながらデレデレになりつつ会話する寅さん。その間に、おいお茶お茶早く、んもう(怒)みたいな感じで叔母を小間使い扱い。何だコイツは…なんなんだ…!!
ちなみに「なんでこんなに叔父夫婦は耐えてるんだ!?なんで言ってやらないんだ!?」と我輩が文句を言っていると、親いわく、妹が代わりにめちゃくちゃいい子だからね、とか、寅さんキレさせたらところ構わず暴れるから、客も来る場所だしあんまり怒らせたくないんだろう、とのことであった。ヤバい腫れ物息子みたいな扱いなのか※同時に、寅さんの良いところは人を騙さんところと親から聞いたが、そんな長所見えなくなるほど態度がデカくてウザくてめんどい。
その後も寅さんはウザすぎた。
ちょろっと見てた感じなのでいまいちよくわからんが、寅さんは美人が現在住んでいる部屋が覗かれないようにかなにか、なんか知らんが板を打ち付けていた。これは美人が、頼んだのか、いや頼んでる様子無かったが…まあなんであれそんな感じのことをしていた。
それがクソ邪魔だったんだろうか。関係性はよくわからんが、知り合いらしき人たち(一人は社長とか呼ばれてた)から、仕事上困る的に抗議を受ける寅さん。
するとうるせえやんのかオラ??!警察沙汰か?上等だオラ!と、喧嘩上等状態に。
そうしていれば、美人が、私の事で喧嘩なさるのはやめて!とお上品に止めに入ってきた。
そんな美人に対し「いやぁ、喧嘩だなんてそんなぁ…僕たちは仲良しなんですよ」とか明らかに嘘だと分かる嘘を言いながら、馴れ馴れしく社長の肩を抱く。
それから「喧嘩なんてしてないですよ。冗談ですよ、社長は冗談が好きなんでね、ねぇ社長?」と言いつつ、社長の顔を両手で挟み「ん〜たこ…たこた〜こ」
最後にはなすがままの社長の頭をはたくようにしてたぁこお~と言いながら去って行った。なんてヤツだよおい…。
ちなみにそんな寅さんの後ろ姿を美人は怪訝な顔で見ていた。当然である。
そんなこんなで人間的に難アリっぽい寅さんだが、叔父さんとはなんだかんだ仲が良いんだろう。
父親(叔父さんからすれば兄)の命日がありその後、命日関係なく(命日のことは二人とも忘れていたため)、ふたりして酒飲んで泣いていた(映画かなんかの話で盛り上がったっぽい)。
ちょっと中途半端に見ていたためところどころ話が違うところもあるかもしれんが、はぁこれが寅さんか、と思いながらあまりにも人として面倒くさくウザいのでめっちゃ笑った(我輩は面倒でウザい人間の話には笑う※アンという名の少女でアンがマシンガントークしているときも笑ってしまう)。
笑ったが途中でやりたいことがあったので映画は切り上げここまでしか見ていない。
初見寅さんによって、人情あふるる男物語りみたいな感じのもんだとを思ってた『男はつらいよ』は、クッソめんどくせぇ難あり野郎の人間物語だったんやなぁ、と知った、そんな話である。というか人情とか期待せず、そのウザ面倒くさいヤツがむちゃくちゃ言ってるっていう視点で見た方が面白そうだ。まあ人情も出てくるんだろうが、出てくるまでがこんな調子だとな。ウザいヤツがちょっといいことしたところで、ヤンキーがゴミ箱にゴミ捨てたぐらいの感じと同じというか。
あと、誰かがコイツに文句を言ってやっても良いと思う。強めにな。