まあまあな数の蟻が目の前で猛スピードで縦横無尽に走り回ってたら、うわあああああ!!となる、のが人間の心理だと思う。
そして蟻を見るだけでパニクるタイプの人間だと、まずはその場にいる蟻を全滅させようとするだろう。
だがその場にいる蟻を退治したとて、蟻の侵入経路、そして蟻の目的地が判明しないことには、結局また蟻はすぐにやってくるし、うわあああああ!!を繰り返すわけである。
では、うわあああああ!!を無くす為にはどうすべきか、であるが、蟻を追うのだ。
蟻を追い、先に述べた侵入経路と目的地である砂糖やら食べかすやらを、探す。
諸君はやったことがあるだろうか?我輩は幾度となくこの作業を行い(夏、庭に生息する蟻が閉まった窓の僅かな隙間からやってくることが多々あるため)、突き止めてきたが、これがまあめんどいし疲れる。
本当に、気が狂うほどのものである。アイツ等天井も伝ってくるからな。脚立に上って小さい小さい蟻(主に2mmくらいのヒメアリ)を追うのは、本当に…。
で、これは慣れてない奴の蟻追い手段である。
我輩は慣れてないときよくこれをやっていた。だが次第に最初に確認すべきは周囲から、その方が早いこともあると学んでいったのだ。
つまり、蟻を追うよりも、キッチンやダイニングテーブルの上を見る、庭に出て蟻が入ってきそうな過去の侵入経路を、庭のセメントを妙に行列作ってる蟻たちがいないかを確認する。
じっと蟻を追い続けるよりも、一旦引いて、全体を確認する。
予測可能な終点から先回りして確認していく方が、手っ取り早く殺虫剤を引っ掛けられ、行列を止める事ができるわけである(まあ予測不可能なこともあるのでこのやり方も完璧では無いが)。
何を言いたいかというと、あんまりにも激しく動き回るものを至近距離で追うのは疲れるし、それは蟻にしろ情報にしろ同じだって事だ。
目まぐるしいものからは一旦離れる。そうすることで見える範囲が広がる。見える範囲が広がれば、狭い範囲で無駄な動きが多かった事に、気付けてくる、こともあるしそんなんわからんこともあるが少なくとも病的にはならんで済む。
何者になるのか予測不能な目まぐるしさは、最初は楽しいがだんだんと疲れるもんだ。いつも(だいたい)変わらぬ地平線を見よう。