というわけで、とりあえずめっちゃ調べてみた。
最終的には基本は汎用型のEPUBだな、と結論づけたのだが、以下にその結論に至った理由を載せておこうと思う。海馬の性能があんまりよくない己のため、そして、今からKindle出版したいでござる~と思っている諸君のためにも。
まず、Kindleはサポートしているフォーマットが多すぎる。そのくせあれ(PDF)は日本語だめ、これ(KPF)は日本語だめ、とかもあってマジで訳が分からん。
じゃあ結局どれが最適やねんって話である。
調べると、mobiがいい、mobimobi(^o^)と言っている人らがはまあ結構多く出てくる。
そしてmobiに変換するためのソフトをKindleが公式で提供してくれているだけあって、お、じゃあこれがええのんか?これにすりゃええのんか?みたいな気持ちになってきて、ソフトをインストールしそうになってしまう、ってかした。
が、このmobi、もうすでに旧型に成り下がっている。サポートを終えた、というか、移行段階にあるようなのだ。その互換として代替にあたるのが現在EPUBである。
そしてKindleが推奨するフォーマットはEPUBとKPF、この時点で2択に絞られる。
それぞれの特徴から説明していこう。
EPUBは国際規格だ(mobiはAmazonが買収したフランスの会社が開発した電子書籍リーダーのフォーマットだったっぽい)。音声ファイルフォーマットとして最も普及している国際規格のmp3と同じ感じだな。電子書式=EPUBが一般的で、Kindleだけでなく基本はどの電子書籍配信サービスでもサポートしている。他サービスでも対応してる国際規格なら安心やな、みたいな感覚でEPUBにしよう、と言うのが第一だ。
KPFはKindle独自の形式である。そのためKindle側のサポートは万全だが汎用性は低い。っつってもKindleに適う電子書籍配信サービスは無いんで、他で出す予定の無い人、KDPセレクト登録してKindleで独占販売する人は、KPFでええがなと感じるかもしれないが…
と、その前に。
電子書籍にはリフロー型・固定型(プリントレプリカ型)の2種類があるらしい。まずこれらを把握しないとフォーマット選ぶ以前の問題なので、ざっくり違いを載せていく。
リフロー型 とは:書式を読み手側で自由に設定できる。文字の大きさ、行間など、見にくいわと思ったら変更できる、というわけだ。併せて、読み手の端末に応じて最も読みやすい形に勝手に変動するため、決まった型が無いとも言える。サイト等のページで言えば、モバイル端末でもPCでも訪問者の端末に合わせて勝手に最適化してくれるレスポンシブデザインと同じような感じだな。固定に対し、流動タイプ、と覚えておけばいい。
文字が主体のコンテンツはこれにする以外、むしろ選択肢は無い、くらいに考えてても大袈裟ではない。
固定型 とは:名前のまんま、固定された形式。正式には固定レイアウト型、だが長いので固定型とする。リフローの真逆なので読み手にとっての自由度は高くないが、作者としてレイアウトにこだわりがある場合、文字と図の両方を書籍内に載せていてズレたらアウトなどの場合はこれがいいだろう。また、文字などが無く図が主体といった、画集・写真集なんかもこれで差し支えはない。
が、PDFのように文字を文字としてではなく、文字も含めてページ1つを画像扱いにする形式のため、少なくとも文字が入っている場合、拡大をするとボケるという欠点がある(例として挙げるなら、OCR機能なしの複合機でスキャンしたPDFみたいな感じ)。
なのでいくらレイアウト(改ページタイミングとか)にこだわりがあっても、文字メインのコンテンツで固定型にしてしまうと、読みにくくて読者が途中退席といった本末転倒になりかねないため、普通にやめた方がいい。
→プリントレプリカ型 とは:これは英語で検索するとどうにか理解できた。日本語だとリフロー・固定と併せてもう一つの電子書籍の種類として扱われているが、実際には固定型の種類の一つで派生みたいなもんである。元がPDFのファイルをKPFに変換するときに選択可能な形式らしい。
また、日本語記事で説明している人たちは大体、プリントレプリカはリフローと固定の両長所を兼ね備えている、とか、いかにも万能くさく言っており、そんな矛盾どうやって可能になってるん?と思ったが、なんのことはない、形はほぼ固定型だ。
例えば固定だと、基本的に文字検索や文字へのマーカー(ハイライト)などが行えない。それが可能になっているのがプリントレプリカである。固定のようにページまるごとを画像扱いではなく、文字は文字として認識しているわけだな。なのでマーカー等可能でピンチアウトによる文字つぶれも起きない。
だが、レイアウト自体は基本固定なため、端末ごとに最適化はされないし、読者側での文字サイズや行間変更などといった読みやすく変更などは不可。まあマジでPDFみたいなもんだな。
この形式は、これまで固定型を選ぶしかなかった図と文字両方が主体でレイアウトが重要なコンテンツの制作者にとってのみメリットがある。
ただ、欠点として端末を選ぶらしい(Peperwhiteなんかでは読めない)。
あと冒頭で言ったように、プリントレプリカ型にできるKPF自体が現時点(2023/04)ではまだ日本語非対応なので、一応やってみたらできたわ的な情報はあるものの、注意が必要である(個人的にはフォント種類によって上手く変換できたり、表示不能になったりするんじゃないかと思ってはいる)。
とはいえ、時間が許すのなら、実際試してみてどうなのかを見てからでもいいだろう。
KPFの制作には、Kindle Createという公式ソフト(日本語非対応)をダウンロードインストールして使う必要がある。制作に関するヘルプもあるんで、英語ではあるが翻訳しながら読めば特に問題は無いと思われる。
まあどれを選ぶにせよ、確実にKindle Previewerは使用しながら製作することだな。どの形式でも変換時のエラーでうまく表示できない不具合が発生するケースはある。しっかり目視で確認することが重要なのだ。
※あと作成時には挿入する画像のファイル名を英語にするとか、そういう配慮をしないとエラー吐き出したり色々あるらしいんで、その辺も気を付けていこう。
長くなったが電子書籍の種類に関する説明はこんな感じである。
ちなみにプリントレプリカ型に関してはKindle対応フォーマットだとKPFオンリーのようだが、固定型とリフロー型に関してはそれぞれEPUBで対応している。どちらにするかはEPUB変換段階で決めることが可能。
KPFはKindle公式形式なだけあって全部に対応している。
ただし、しつこいようだが、KPFは日本語を公式に対応していないためエラー率が上がるだろうと考え、プリントレプリカにどうしてもせねばならんというような文字&図コンテンツとを除き、KPFかEPUBかで考えたら必然的にEPUBに絞られるわけだな。
※画集などは好みでいい。
そしてそういったEPUB変換の最も簡単な方法としては、Libre Officeを使うことと思われる。調べて一番楽そうだった。
リフロー型だけで良いのであればGoogleドキュメントでdocファイル開いて変換、が楽だろうが、固定型を選ぶならLibre Officeだな。海外勢はこれが断然多い感じである。
他、PDFから変換だと、オンラインコンバーターで唯一可能なサービスがあるにはあるらしいが、無料会員では50MBが上限らしいので画像メインなコンテンツだと恐らく足りない。
そんなわけでPDF→jpg→EPUBといった工程で変換する人もいるようだ。PDFからの変換はなかなか相性悪そうなので、PDF化する前のデータからのEPUB化で模索した方がよい、ってことだろう。
~ではここまでをおさらい~
何度も言うが、基本的に文字メインのものならば、リフロー型一択である。
リフロー型にしなければ、レスポンシブ対応しないサイトくらい時代遅れで読者に不親切すぎてヤバいと感じた方がいい。2年ほど前の我輩のブログみたいなもんだ。形にこだわりすぎてレスポンシブさせず無理やり固定させ、スマホ表示でクッソ小さい文字サイズになってた頃の我輩のブログと…。
リフロー型にしておけば、安心だ。文字はリフロー。これを頭に叩き込もう。
そして画集・写真集なんかだと、固定型でいい(むしろ固定型がいいかもしれない)。
ファイル形式は、そのいずれにも対応しており日本語OK、且つ最も汎用的なEPUBを選ぶのが無難(完全にテキスト認識不要の全ページ画像な画集や写真集ならKPFもアリなので、特徴比較し好みな方で)というわけだ。
文字と図の両方が混在するコンテンツの場合は、KPFで固定型の一種であるプリントレプリカに変換できることに越したことは無いが、Kindle Previewer等で確認し、表示バグが起きてしまう場合は諦めて固定化しかない。
とまあこんな感じで以上。
いやぁ、長くなったわ…。
これ実際に出版終わったら、その実際の流れなんかもまとめてこの記事内容自体をKDP出版したいところだな。KDPセレクト登録可能な価格の最安値で。
余談:完全にdoc、docxを無視して話を進めているが、理由としては、MSofficeのWord形式であるdoc類だと、書式がうまく反映しなかったり正しく変換されない可能性があり、推奨されていないためだ。推奨されていないもんは避けるに限る。