図らずも詩的なタイトルになってしまった。己の才能を感じるぞ。
ようこそ諸君、ボロボロ皇帝だ。
地球は鳥の厠と言えよう。
鳥は羽ばたける生き物であるから、天から地まで境界もなく完全に思うまま、あっちにフン、こっちにフン、フンフフ〜ン♪である。
そんな鳥の厠をちょっとお借りして暮らしている我々人間。
お借りしている立場なので、たとえ目の前にフンされようと、頭にフンされようと、車にフンされようと、
ああああ!運が無ぇ!!ウンだけにぃいいいい!!!
とか言って嘆く以外にほかはないのだ。
我輩はそれを知っている。
そう、だから、例えば数日前、
フロントガラスに、完全な白ではなく、ちょっと赤黒いうんこっぽさがすごい固形のフンが落っことされていても、最終的には見てみぬふりをした。それこそウンに任せた。
ちなみに、最初はワイパーでこそぎ落とそうと、やりはしたのだ。
なぜワイパーかと言うと、わざわざ出勤前に、車に乗ってはじめて気づいたソイツのために、ギリギリの時間と引き換えに、車からまた降りて拭き取るなんていう負け宣言をしたくなかったからだ(つまり遅刻寸前だった)。
運転しつつ、ウォッシャー…というか、ただの水道水だが、それをかけながらワイパーでどうにかこうにか取り除こうとするも、フンは固くて強いしウォッシャー(水)の量は減りすぎており、ほぼ水が出てこないためどうにもならず(入れろよなと自分でも思う)。
強いて言えば、フンが若干ベタッとなすりつけるように広がりかけたぐらい。もうそれじゃあ悪化である。完全に悪化。
まるで、これ以上触れるなと言わんばかり。
お前の車がそこにあったから悪いと、鳥からすればそんなところだろう。
やはり鳥の厠に住んでる以上仕方がないのだ…。
だがいくら厠といえど、流すのがマナーってもんだろう?
落としっぱは、いくらなんでも態度が悪すぎである。
そう言いたくなるが、自然には逆らえない。だって住まわせてもらってるから。
横暴でうんこも落としっぱな大家は自然の一部。
自然に打ち勝てるのは、自然のみ!(多分)
そうだ!
雨が降るのを待とう!!洗うのめんどいし。
我輩は待った。
その日、晴天、雨は降らず。
翌日朝、晴天。すっかり忘れていたフンの存在を車に乗って思い出し、邪魔くせえと思いながら触れずに出勤する。
きっと雨が降る。
絶対いつか降る。
いずれ降る。
降らないなんてこたぁないだろ日本なんだから!!
夜になって。
我輩は帰ろうとした。
社員通用口から外に出ると…
まるで願いが通じたかのような激しい土砂降りの雨!
大雨の中、会社の傘を借り、意味あるんだか無いんだかみたいな状況で差して、嘆きながら駐車場まで歩き、雨が多少小降りになるまでちょっと休み、気づいたのは運転中である。
そういえば、
こべりついてたフンが無い!
こうして約2日ぶりに、フンは跡形もなくきれいに流されていったのだった。
もうちょい長期戦を覚悟していた中だったので、非常にラッキーである。
やっぱ、自然のことは自然に任せるのが一番なのだ。
すべてを洗い流してくれる、神のお恵みに任せるのだ――。
というだけの話であった。
にしても空からフンするって、気持ちいいんだろうか…。
こう、解放感はありそうだよな。
生まれ変わったら鳥になって大空でフン、ってのも、悪くはない。
ちなみにその後…
帰りのフロントガラスに、カタツムリが2ツムリ現れた。
※最初1匹だと思ってたら右からもう1匹現れて、運転中非常に目障りであった。
いや、何で2匹も!?
まあまず1匹でも意味わかんねーんだけども、
その前に駐車場の停めた位置、植え込みとかもないし四方アスファルトだったんだが!?なんでよりによってこっちに来たよ?!
実は行きの段階で、すでについてきてたのか…?
まあ地球は…
鳥の厠であるとも同時に、カタツムリがツムツムする場所でもあるわけだと主張してきたのかもしれんが…
畑に帰ってくれ(それと庭には来ないでくれ)。
(邪魔すぎてワイパーかけたくなるのを必死でこらえた※潰れるのは勘弁である)