ボロボロ皇帝のボロ切れと塊

ボロボロ皇帝が悪態、嫌み、好み、何でも己の視点だけで自由に吐く「偏」な場所。たまにExcel、家電、音楽等についても好きに吐いてる。

ボロボロ皇帝が悪態、嫌み、好み、何でも己の視点だけで自由に吐く「偏」な場所。
Excel、家電、音楽、ゲームイラスト小説映画、性癖について等、何でも好きに吐いてる。

どうでも良いかもしれんが背景色変わっていくの見てくれ。
更にどうでも良いかもしれんがアイコンが息してるの見てくれ。


我輩は何にも制約されない身、
「耐えぬ」事を恐れないと決めたのだ!
我輩は好きなときに悪態をつく!
妬み僻み嫉みを背負い、
マイナーだろうが邪道だろうが
我輩は我輩の道を行く!
好きなものは懸命で不器用な諸君,
嫌いなものは器用で完璧を気取った奴らだ。
         

老舗オーディオメーカー、オンキヨーよ、さようなら…

 

本日出社してみたら、映像音響営業部門のバイヤーから、オンキヨー破産手続きを取っている、という社内メールが来ており、思わず、えっ!と声が出た。

 

確かにここしばらくオンキヨー修理受付自体をストップしていたし、立て直して帰ってくるから待っててね、みたいなことを言って、ずっと期間延長していたしで、いつになるんや…コロナ大変やな…(工場の部品製造追いついてないんかと)、とは思っていたところ。

だが、まさか破産とは。ここ1年で国内家電メーカー2社というのは、なかなかにショックである。

 

我輩が販売員をしていた7、8年近く前。

オーディオ機器を購入する顧客の中には、オンキヨーがいい、オンキヨーオンキヨーと言う人は少なからずいた。そしてHi-Fiやらハイレゾやらの音源に対応した機器製造の先駆けの印象は非常に強い。

気づいたらパイオニアを吸収してオンキヨー&パイオニアになってたが、国内メーカー同士での吸収はそんなに悲しくないんだよな(ただの個人的主観)。ちなみに、シャープが台湾企業の鴻海傘下になったときは、ショックだったし、東芝AV事業を中華企業のハイセンスに渡したときもショックだったがこんな感じでは…というか単純に吸収と破産は全然違うんだから当然だわな

 

破産って単語はなんだか泣きそうになる(それに伴う倒産も然り)

なので、今日も、オンキヨー(´;ω;`)待ってたのに帰ってこれなかったのか(´;ω;`)という気持ちになった。全然オンキヨー製品使ったことないのに

 

どんどん国内から大手メーカーが消えていく惨状。一体この国の家電業界の行き着く先は、どこなのか…(まあ海外メーカーにシェア奪われていくだけだろうが)。

 

なんてことを考えながら、我輩はもう少し状況を知りたくなったのでオンキヨーの公式サイトを覗いてみた。

IR情報に株主向けのお知らせが3つあるのでそれぞれ閲覧。

 

まず、今回破産したのはオンキヨーホームエンターテイメント株式会社(オンキヨー株式会社とオンキヨー&パイオニア※子会社が合併して社名変更した親会社)子会社である、

オンキヨーマーケティング株式会社オンキヨーサウンド株式会社2社になる*1

 

あ、子会社なのか。じゃ親会社は生きてるんやな

でも量販が取引してるのオンキヨーマーケティングだよな?マーケティングマーケティングだから営業販売、として、サウンドって何してんだろ。製造?

オンキヨーマーケティングが子会社だということすらそもそも知らなかった無知っぷり。早速改めて、それぞれの事業内容を調べてみた。

マーケティング国内販売事業

サウンド:他家電内蔵スピーカー、車載用スピーカー等の、他メーカー製品埋め込みオーディオの事業(OEM)

ということらしい。


マーケティングはそうだよな。だがサウンドは我輩の思ってたような、家電としてのオーディオ機器製造事業ではなかった

まず、グループ会社の子会社とは言え、これら2社は主力のはずで、実質オンキヨーそのものだったと言っても過言ではないだろう(過言だったらスマン)。

そんな収入源として大きな存在であったはずの子会社が破産した今、親会社の存続は可能なのか?

つか、親会社のオンキヨーホームエンターテイメント株式会社って、なにしとる会社なの…?

 

公式サイトのIR情報を読んでいて、だんだんわけが分からなくなってきた我輩は公式サイトを離れ、あちこちを調べた。Wiki(ソース確認しつつ)から家電系のニュースサイトから、過去のIR情報から、とにかくあっちこっちだ(仕事の合間※閑散期特権)*2

 

 

そこで、気づく。

己がオンキヨーの経営状況の傾きっぷりを、全然把握していなかった事に。


まず、オンキヨーは、昨年9月付けでシャープ(約15%)とVOXX(約85%)に大事な家庭向けAV事業売却していた(また鴻海か!)。

事業譲渡先として、シャープとVOXXの共同出資による、オンキヨーテクノロジー株式会社が設立。この時点でオンキヨー頭についてはいるがオンキヨーのものではない会社だな。

ちなみに同年5月時点では、オンキヨーとシャープが共同出資(4:6)していたS&O Electronics(Malaysia)Sdn.Bhd.というマレーシアにあるオンキヨー家庭向けAV機器主力生産工場企業(海外子会社)所有株式を、オンキヨーはシャープへ完全譲渡している。

ということは、既に、一般家庭向けAV機器の製造は完全にシャープが引き継いでいる状態であるわけだな。

つまり、ブランド名がオンキヨー製造がシャープ

国内での販売はオンキヨーマーケティングが、海外での販売事業をVOXXが行う、という流れだったらしい。

※また、現時点では、Onkyo Asia Electronicsという高級ホームAV機器生産工場はまだオンキヨーのサイトで子会社扱いだし、それ以外のオーディオ系海外子会社もあるのだが、今回の倒産でどういう方針になるかはわからん。

※ちなみに同時期に、ハイレゾ音源配信事業もフランス企業に売却している。

※余談だが、オンキヨーカスタムインストールという住宅設備系のオーディオ事業も手がけている、もしくは、いた、っぽい。
簡単に例を挙げると、シアタールームとかが分かりやすいが、それよりもっと生活に密接且つ、外観も自然でスタイリッシュにってのがコンセプトな感じの、リフォーム事業に近い分野だな。
ただ、この事業は家庭向けAV事業の内の一つとなっているんで、既にシャープとVOXXのものということなのか。それとも高級ホームAV事業の誤りか。内容からして高級で音響設備にこだわりある金持ち層向けだしな(富裕層向けではなく、とか言ってはいるが)。加えて売却直前ぐらいに関連で一級建築士うんたらという更に別の子会社のもんも設立しているんだよなぁ…。まあなのでこのカスタムインストール事業が一体どうなってるのかはようわからんが、カスタムインストールという言葉初めて知って、賢くなった気がしたので、ここに載せておく。


…と、まあこのように。

 

事業売却という手段で、少しずつ己の身の一部を切り離しながらやってきたことが十分に分かる実情。

 

なるほど、今回の子会社2社破産兆しは、確かにあったのだな。

そして、悲しいかな、破産以前から既にオンキヨーは、我々の知る大手老舗オーディオメーカーオンキヨーではなくなっていたわけか。

 

 

そういえばオンキヨーサウンドは、2020年に、親会社からの会社分割という形で、設立されたらしい。

それが2年経たずの破産であるので、もちろん事業再建を目指していたはずではあるが最悪の事態を予測していなかったわけでもないと思う

となれば、一気につぶれないように、あえて子会社として分割したんだろうかリスク分散的な。これは、小さくとも、生き残る戦略なんじゃなかろうかと感じる。

 

それと、親会社であるオンキヨーホームエンターテイメント株式会社の、主な事業内容は、オーディオ・ビジュアル関連製品等の企画・開発・製造・販売となっていた。が、これは、子会社ありきの内容だろう

今時点で明かされている情報だと、今後は、家庭向けAV事業譲渡先から得られるライセンス使用料や、関連会社(完全分社化してるっぽいオンキヨー株式会社等)の管理受託業務を主な収入源とし、細々とやってくらしい。

 

ちなみに、関連会社にあるオンキヨー株式会社の事業内容は、音響機器・ハイレゾ音源のインターネット販売、電子機器・ソフトウェア等の研究、開発設計とのこと。

なので、今回のことはオーディオブランドで名を馳せてきたオンキヨーからオーディオビジネスが消え去ったように感じる出来事であったが完全に無くなったわけではない、ということになるんだろうかなぁ。

 

ただ、OEM事業子会社であるオンキヨーサウンドの破産で、Sound by ONKYOは消えてしまうだろう。

家庭向けAV機器に関しては全然わからん。※もはや調べてもだんだんこんがらがって来るほどグループ会社内容が複雑。

オンキヨーマーケティングは販売を担っていたわけで、実際には事業を引き継いだオンキヨーテクノロジー株式会社、すなわちシャープが製造業を営んでいるからだ。となると、シャープが販売委託先を見つけるor自社でやるかで国内販売継続するか、それとも国内切捨てか、というところなんだろうが。

その他諸々、今後の方向性は、決定後に知らせるらしい。

→2022/08:販売委託先見つかったようだ。後述(下、追記済)。

 

それと(量販の立場として)肝心な修理業務についてだが、仕入れと同じくオンキヨーマーケティングが取引先であったので、今後のことは業務委託先が出てくるのかどうかに掛かっている。個人的には委託、出てくるんじゃないかなと思ってるんだが…。委託先無しで修理サービスも同時に打ち切りとなれば、親会社に批判殺到しそうだしな(マジで修理受付再開待ちしている顧客割と多いのだ)。シャープの動き次第、なんだろうか。

→期待させてスマンが、修理業務委託先も無しという結果だった。つまり修理サービスも完全終了ただし、量販保証に入ってる場合は慌てずに相談すること。他社がどうかは知らんが、当社は量販保証期間中に故障した場合、そのメーカーが倒産し修理事業部も無い場合、代替策で対応している。悪くは無い内容だ。

保証が無い場合の、有料でも修理して!は全くもって不可ということになる。

 

もしお気に入りの製品なら、一か八かで個人業者に見せてみるほうがいいかもしれん。我輩ならそうするかな。

ここだけの話だが、結構直してくれるんだよな、個人の修理業者って。

メーカーや量販などの企業は、純正パーツ交換のみを使用して間違いのないよう完璧な修理を目指すわけだが、個人業者ユーザーのイメージする修理そのもの、例えばハンダゴテで抵抗をうんたら、みたいな基板の小さな修理をしてくれることもある(もちろん人によりけりだろうが)。

もっとわかりやすく言うと、ぬいぐるみの目が取れたから代わりにボタン、みたいな、こう、ツギハギがうまいというか。我輩はこれが本物の修理だとは思うけどな。こういうのができるのは凄い。

というわけで、どうせ壊れてるし…という気持ちで見せてみるのはありかもしれん。だが期待はするな。無理なもんは無理ってこともある。

 

2022/12追記TEACが一部製品のみ修理サービス受ける事になったぞ!いやぁ、確認してみるもんだな。

対象機種は随時追加される可能性アリ。あんまり古い型だと望み薄だが、そんな古くない物ならリスト外でも今後追加される可能性があるので要チェックだ。

 

 

あとめっちゃ余談だが、オンキヨーって松下のスピーカー製造工場で工場長してた人が独立して創業したんだな。松下電器の名残って結構あちこちで見えるから、マジですごかったんだなと感じる。過去の栄光と言われようと、思いを馳せたくなるもんやで…。

 

 

最後に、以下がオンキヨーの株主へ向けたおしらせ。

削りに削って身軽になったオンキヨー12年間粘ってきた結果、その苦渋の決断の様子が、淡々としているはずの文面からからも伝わってくる。

 

f:id:wornoutemperor:20220209231603p:plain

 

20220513追記

この記事へのアクセスが急増したので、何事かと思ったら、

親会社のオンキヨーホームエンターテイメント破産してしまったのだな。

そうか…保ちようも無いよな。今の世、情勢含めまさしく不況だし…*3

そういや、全く連絡もつかないと聞いていたが、なるほど通りで、納得である。

オンキヨーは完全に、夢の跡となったのか、と…。

 

20220514追記

昨日(5/13)公式サイトが鯖落ち(恐らくアクセス過多)してて読めなかったが、本日は無事アクセス可能で、関係者へ向けた文書を閲覧できた。

 

子会社2社を切ったときの文書よりも、ここに至るまでの悲痛な経緯、そして諦念が見て取れ、なんとも言い表せない悲しさだけが胸のうちに残るのである。

 

 

 

最後に、

半導体不足の間は無理だろうが、いつか、オンキヨーに在籍していた技術者達(一部でも)が結集するなどで、新たな国内メーカーを立ち上げたりする日が来れば良いな、とか思ったりする。願わくは。

 

 

 

20220807追記

国内販売を担っていたオンキヨーマーケティング倒産後、日本のマーケットはどうするんかと思っていたが、なんと、TEACが国内販売事業を請け負うことになったらしい

ざっくり言うと、ブランド名がオンキヨー(パイオニア)なシャープ(鴻海)製品をTEACが販売する、ということになるわけだ。変な感じであるが、そうやってブランド名だけ生きているパターンは増えてるし、せっかく最近買い取ったばっかの世間に浸透したブランド名、使わんのはシャープにとって損にしかならんのだからそりゃそうか、である。

 

各量販店での取り扱い(我輩の勤め先含め)がどうなるかはまだ全然分からんが、変な条件や制約がない限り、普通に取り扱い開始するだろうと思っている。TEACとの取引はあるわけだからな。難しい話でもない。

製品が店頭に並んでるのを見て客によってはファッ!?つぶれたんちゃうかった!?と思うだろうな。特に修理強く望んでたができなかった人とか。まあそういうのもいずれ忘れられていくんだろう。

 

 

 

*1:後日オンキヨーホームエンターテイメントも破産してもうた…。下の方に追記。

*2:各子会社や吸収合併前の名称などは、Wiki編集者も恐らくワケわかってなくて更新されず古い情報が残っていたりもする。なのでグループ会社情報などは普通に公式サイトを見たほうが確実。

*3:時代に追いつけなかったとはよく言われるが…。車載スピーカーにしても肝心の車が半導体不足の影響を受けてたり、そもそも免許持ってない勢も増えてきた世の中だからな。確かにコンポでガンガン聴く時代ってより、イヤホンでちんまり聴くような時代だ。加えてストリーミング。スマホさえあればな世代を取り込もうと、ポータブルアンプを作ってたことも知っている。なんでパソコン作ってた彼らが、ハイレゾ対応のiPod的形なデジタルオーディオプレーヤー作っておいて、スマホ作らなかったんだろうと疑問になり調べたら、スマホも作ってたわ。つまり、時代に追いつこうとした跡は、見える。となれば、(スピード感の問題は前提としても)時代の流れってよりは営業と商材アピール、露出戦略が上手くなかった点、が問題だったのではないかと個人的に感じる。中華メーカーが続々参入している中で、スマホに関しては特にレッドオーシャンという言葉で片付けてはならないだろう。去年か一昨年かのバルミューダなんかを見ていればわかる。どの層に向けてんだか分からんようなクソスペスマホ引っ提げて現れたことで、クソと揶揄されまくったが、あの認知のされ方、話題にさせる手法は上手いと思った。クソだったけど。あれぐらいのアピール力が必要だったんじゃなかろうか。