勢いで買ってしまった(330円)。
しまった、と言ってるように、結論から言えば要らんかったわ、のひとことに尽きる。
その理由を今回は実体験と共に述べていこうと思う。きっと諸君も要らんくなるだろう。
あと我輩はオーディオマニアではないし、オーディオはオカルトの世界と同義ぐらいに思ってる凡感覚な人間である。その上での感想であるので悪しからず。
この日、我輩はちょっとワクワクしながら帰宅した。だって立体音響って書かれてる。ちょっと雑でも立体感を感じられたら楽しいな、とか思っていた。
雑な立体音響といえば、ソフトで加工して音量を変更して無理やり頭の周囲をぐるぐる曲が回ってる風にするあれとかが代表だ。あんな感じの本格的ではないが面白立体、みたいな感じで、加えて低価格イヤホンであるから、多少音がおかしいことも許容の上で(だが110円とどっこいだったら許さん)、普通ではない不可思議な音を求めていた。
せっかくなので比較も必要である。
今使っている、2014年ぐらいに買ったaudio-technicaの多分ATH-CK323S(当時型落ちで安く買ったはずなので恐らくこの2013年モデル)と聴き比べてみることにした。
ちなみにこのaudio-technicaのイヤホンは、我輩が初めて手にした100均以外のイヤホンであるが、音質の差は当たり前なのでさておき、何が凄いって、これまで7年経過しコードを覆う外装部(LR書かれている部分)は劣化し割れているが(このように↓)、
本来の役目は未だこなし、現役状態で断線していないことである。
もう100均のイヤホンってすぐ断線するのだ。コイツと出会うまでは、てっきりイヤホンはすぐ断線する完全消耗品だと思っていた。
…今打ってて思い出したが、そういやこのaudio-technicaのイヤホン、確かケーブルの太さを確認して買ったな。太めだし断線しないんじゃないかという期待を込めて(平たくて太めのケーブルなのだ)。見込んだ通りじゃないか、偉いぞ!
でまあキャンドゥのDual driver Earphonesだが。
雑で申し訳ないがこんな感じである。
先述の通り、そして写真の通り、キャンドゥの製品だが110円ではない。330円だ。
前までキャンドゥは110円製品しかおいてなかった気がするが、気づいたらHIDISCの16GBSDまで売ってて、そのへんのディスカウントストアみたいな品揃えになっていた。
色は黒があれば黒にしたかったが、白しかなく仕方なく白を買った。
2つ金属穴みたいなのが開いたデザインで(実際はプラ)、なんかかわいい。
プラグはちゃんと金メッキ。最近は110円でも金メッキ売ってるし、じゃなかったらさすがにダメだろとは思うが。
そして、こいつはただのイヤホンではなくイヤホンマイクになっており、通話ができる。らしい。まあ通話相手いないから使わんだろうけど。
あと我輩が地味に感動したのはケーブルの太さ。
※さっきからケーブルの太さの話ばっかでスマンが、もはやそれほどまでに断線恐怖症なのだと思っておいてくれ。
このイヤホンは作り自体、イヤホンのよく断線しがちな箇所(プラグ部やイヤホンの頭部分)が守られていて断線防止になりそうだが、ケーブルそのものも太い。というかもとは細いようだが透明なシリコンのようなもんで覆われて太くされている。二股にLRで分かれた先からは覆われていないが、ここまでしっかりした太さのものと言うのは、さすが110円じゃないだけある。
だが、いくら太かろうと、110円とお代わり無いモゴモゴガシャガシャザワザワキンキンな音は勘弁である。太いのは大事だが(我輩にとって)、やはり用途は音を聴くことであり耐久勝負ってわけじゃない。
audio-technicaになれ、などという酷な事は言わん。
さあ、お前(330円)の真価見せてくれよ!
というわけで、さっそく、耳にはめ込んでみた。
ん…?
ハマらん…。
ハマらんぞおい…。
イヤーピースのサイズが明らかにデカい。
いやだが、今までこんなに入らんことなかったんだがな。いくらデカかろうと、イヤーピースなんてたかがシリコン。柔らかいから無理やり突っ込めば普通はハマる(違和感はあるが)。だがコイツはそれが出来ない。もう全くできない。
とりあえずこれじゃあ音質以前の問題なので、我輩はaudio-technicaのイヤーピースを引っこ抜き、コイツのイヤーピースと入れ替えてみた。
そして、
ハメる。
何だコイツなんでこんな硬いん!?!??
イヤーピースは確実に我輩の耳にジャストフィットなサイズへ変更したのに、コイツはそれでも異様な硬さで、我輩の耳に入るのを拒む。
おい、そんなに嫌か?我輩の耳がそんなに嫌なのか??
我輩はこのときハッと気づいた。
もしかして…
あー!!やっぱりイヤーピース云々でなく土台がデカいッ!!!!
土台、こいつの正式名称は知らんが、つまりイヤーピースをハメる部分自体がそもそもデカイわけだ。
すなわち、イヤーピースをいかに変更しようが、そんな問題ではなく、柔らかいイヤーピースは潰せても硬いプラスチック部分である土台が耳穴にキレイにハマらないせいで、徐々に浮いてきて、ポトッと落ちる…と。
我輩は試行錯誤した。
耳が押し返さない術を探るべく耳を熱くしながら、
結果…
ヘッド部分というのか、そこもデカめなのが救いで、
こんな感じでシェア掛けしつつヘッドの上部を、
耳のこの赤丸の部分に引っ掛ける事で、ガッチリはめ込み、浮いてくるのを防止することができた。こうするまでがちょっと面倒くさいというのはあるが、それ以外に絶対方法は無い。
でまあそんなこんなで、やっと試聴である。
聴いた曲は、
こちら。
最近Acousticバージョンが上がったSmash into PiecesのIn need of Medicine
かっけぇ…。とにかくかっけぇ…。
と、
こちら。
LiberaのSanctus
諸君も聞いたことあるのではなかろうか?よく番組とかで使われてるしな。
心洗われる、を通り越すような、通り越して全部捨てたくなるような(現世というか俗世というかのしがらみ諸々を)、うつくしき、あゝ…。
でまあこれらでaudio-technicaと聞き比べた結果。
なんじゃろうかなぁ…。
薄い。なんだか全体が、薄っぺらい。別に特別悪いわけでもないが(悪い音は知ってるので言えるが、もっと悪い)、こう、わざわざ買うもんじゃなかったわ、というか。
そして粗い。繊細な音を聴こうが、繊細さゼロ。もごもごとかガシャガシャとかそういう不快感まででは無いし、一応音の層もあるにはあるのがなんとなく分かりはするのだが(耳が頑張ってるだけかもしれん)、それらが明らかに潰れている。潰れ、雑に混ざり合って、心地よくない。
そうだなぁ、例えるなら…潰れたミルフィーユ。
マジでコレ。コイツにふさわしすぎる異名。潰れたミルフィーユ音質をご提供!だ。
なので、おお!まるでその場にいるかのようだ!といったような音の真逆。
己が今いる場をありありと感じるし、いい曲を聴こうが感動も無い。どこか客観的になってしまうそんな音だ。なんだか冷めてしまうというか。ええ、スピーカー越しですみたいな(厳密に言えばイヤホン越しなわけだが)。もう言ってしまえば聞こえるだけのイヤホンである(しかも潰れた結果ちょこっとノイジーに聞こえる部分もあるしな)。
いや、にしても…
どこが立体音響なん???
2つのスピーカーによる立体音響、とかいう謳い文句を忘れそうになるほどの下の上~中の下ぐらいの音質。
なんも楽しくないな、お前(´・ω・`)
というわけで残念な結果に終わったのであった。
マジで、これは見かけても買わんで良いぞ。
どうしても必要に迫られてたら買ってもいいかもしれんが(そんなことあるのかは甚だ疑問だが)、悪いことは言わんから、普通に1000円くらいのイヤホン買っとけ。
あと余談だが。
今回比較に使ったaudio-technicaのATH-CK323Sは60cmで短いタイプ(普通のイヤホンは1.2mがデフォ)なのだが、結局ほとんど延長して使っている。そして延長したらその分音質は劣化する(ケーブルにもよるだろうが)。
当時無駄に長いと断線するかもしれんし短いほうがええわくらいに考えていたのだが(断線断線うるさくてスマン)、普通に短すぎたのだ。というわけでまあ、買うなら普通の長さのを買っておけ。短いものを買うやつなんてそんないないだろうが、念の為。(1mぐらいが個人的には良いんだけどなぁ、無いからな)