三編で終わるはずが終わらなかったので番外編である。
前中後編は以下↓
~前回までのあらすじ~
所長から「使えんみたいな」ことを言われたと言い張り勝手にキレて、バイトをバックれたバイト生R。巻き添え食らった我輩の後輩にあたるT氏が、所長指示でバイト生Rに連絡を取った結果、8/7昼か夕方に面談をすることに。
そんなこんなで8月7日、面談日当日がやってきた。
我輩はちょっと楽しみであった。
どんな感じになるんかなーと。そもそも昼か夕方っていつ来るんだろうな?というのも地味に気になっていた。普通に考えたら絶対遅い方だよな、とかも考えていた。
思い出したように、「そういや今日だったよな?Rと面談」と言う所長の声が聞こえる。時間は昼台、確か14時半あたりだっただろう。
所長は、いつ来るって?昼って言ってなかったっけ?とT氏へ言っている。
まあ昼か夕方だけどな。ほらきっちり時間決めねえからこんなことになる…と思いながら聞き耳立ててません風に聞いていると(距離が近すぎて聞こえる)、その所長の昼じゃねえの?という質問に対し、T氏「んーそうっすねぇ」とのこと。まるで夕方のことは無かったことになっていた。
うわ、お前…そこは一応昼か夕方ってちゃんと言っとけよ、前提としてバイト生Rの行動は全面的にヤバいが、これに関してはそれを知った上でお前が変な約束の取り付け方したのも問題なんだから…
と思いつつ、が、やはり口は出さずにいた。別に庇う義理は無いしもう我輩の手は離れたも同然だ。
それ以前に、まともなら早めに来るもんだろう。まあ相手がまともじゃないからこそ、なおさらきっかり時間決めとかないといけないわけだけど。
そのまま夕方の話は無しに、話はどんどん広がる。
まさか、来ないつもりかな、と所長。それに対しT氏は、うーん…まあこうなると思ってましたよ、あいつはバックれますよ、と言いだした。
ちょ、おま、ゆるゆるガバガバな約束の仕方しといてよく言えるな?!
おう、じゃあ昼か夕方に来いよ(^o^)なんて言ったら、いつ行ってもええんやなぐらいの感覚で捉える可能性が高いって、アホでも予測できそうなもんだけどな(バイト生Rならなおさら)。むしろわざとかと思うレベルである。
でまぁ、ちょっとこの辺曖昧だが、多分所長が最終的にバイト生Rへ電話していた、と思う。忘れてた?いつ来る?みたいなことを訊いていたような。
その約1時間後ぐらいにバイト生Rは来たようだった。
二人きりだと萎縮するかもしれんからということで、緩和剤にTを連れていった所長。どうなるんかなぁ、と思いながら見送った。
それから、しばらくして戻ってきた所長に、終始無意味な感じの面談だったというような報告を受けた。
契約を反故にするような社会的にあり得ない己の行動を、反省するなり悪びれたりするような様子は微塵も無く、終始ムスッとしていたらしい。
んでもって、面談途中であろうことか「もう早く(退職届)書いて帰っていいですか」と言ったとのこと。やっぱスゲー神経しているぜ。
その言葉で所長は、これは無駄だな、と思ったそうな。
ちなみに所長がバイト生Rのことで常に言ってたのは、「このまま彼が社会に出たら、よろしくない。ここで上手く乗り越えた方が彼のため。だから成長させてやろうぜ」的な事であった。
それを聞くたび我輩は、めっちゃどうでもええねんけど、と思っていた。この場が彼に合わなかっただけのこと、コイツの未来とか知ったこっちゃねえし、むしろここで未来が決まるってのもちょっと乱暴な意見ではなかろうか、と。
だがそれは、我輩がコイツに対してあまりに無関心だから感じる事でもあるんだろうというのも、分かっている。
上に立つにあたって人間的に重要な要素は、きっと、責任を感じながら一人の人間と接すること、そして己を信じ己の正義を貫こうとすること、なんだろうと思う。
見えない未来に、何が正しいなんて無いからこそ、己が正しいと思うべき方向に軌道修正させようとする努力。どんなに余計なお世話でお節介だろうと、押しつけがましかろうと、いやそれもどう思うかは相手次第であるし、何が何だろうとどう思われるかなんとかではなく、真剣に、俺を見ろ!俺が指標じゃい!みたいな感じで向き合うこと(向かい合わせようとすること)がきっと大事なのだ。
我輩にはそれがない。
まあもちろん全部が適当ってなわけじゃないが、そこまで真っ直ぐでもないと言うか。正直、己が今いる道に満足しているわけでもない以上、自信を持ってここ素晴らしいからちゃんとこの道歩けよ、なんてことは言えないし人を正す余裕も器も無い。総じてクソどうでも良い。
ちなみに所長の意見に同調していたのは我輩の同期K氏である。K氏はマジで吸収力が高い(受け売りの意味でも)。「アイツあのままだったらこの先社会に出たときマズいよな」的な事を言っていたので、所長に言えなかった言葉をコイツにでも言っとくかと「知るかよ、他でやるだろ。まああんなんなら辞めてくれてよかったわ」と返しておいた。我ながら最低である。
でまあ面談の話に戻るが、所長曰く、Tが良いこと言ってたんですよ、とのことであるが、いや俺のことは良いですよ…とTが言ってたので、一体T氏が何を言ったのかはわからんかった。
また別の日。
毎月の小会議的なやつでも所長はこの時の話をしていた。
このときにようやく、バイト生Rが所長から「使えん」的な事を言われたと主張していたことについての、真相が分かったのだが、所長は辞めると言ったバイト生Rに対し、「利益出せんかったなぁ」と言ったらしい。
まあ事実ですからね、と所長は言っていたし、たしかに事実ではあるが利益なんてもはやバイト生Rには求めていなかった我輩からすれば(むしろ損失出すなよと)、当たり前じゃん、なんでわざわざそんなこと言ったん(´・ω・`)?である。
恐らく、ある意味所長はあいつに期待してたんだな、と思われるが、甘い。甘すぎるぜ。あいつはそんなタマじゃねえよ…。
と、そんなことを思うのと同時に、この利益という単語に、ああこれこれ、こういう言葉だよ所長は!と納得した。
で、これをバイト生Rは「使えんな」と解釈したらしく、キレたと。何でだよ。さすがに被害妄想が過ぎるだろ。
そして所長はまたも「Tが良いこと言ったんですよ」と言ったのだが、結局その良いこと、の詳細が明かされることはなかった…(実は言ってたが聞き逃した、という可能性もある)。
この話の最後に所長から、
「面談での態度から、彼をずっと一人で見てたボロボロさんは本当に大変だっただろうな、と思いましたね」的な事を言われ、まあ一応は一部パートや準社もちょろっとみてくれてはいたけど、どんなにあいつがヤバかろうが、だからって誰もどうするという解決策を考えることは無いし、どうすればいいかどこに働きかければ良いか、結局一人で課の平和のために動いたし…という意味も込めて、「はい、キツかったです」と言っておいた。わかったんならええねん。みたいな気持ち。
キツかった。
が、
やっと解放されたのだ!
今我輩の社畜的日常に、それでも比較的平和な日々が戻ってきたと言える。
以上でバイト生Rとの別れまでの怒涛の日々の話は終わりになるが、一つまだ話してないのが残っていることを思い出してしまった。
それは、彼が本社主催のオンラインアルバイト研修に参加したときの話である。これも強烈だったので、今度話す(つもりだったが、飽きてしまったので記事にしてまで話さないことがハッキリしてしまった。簡潔に言うと、研修後の本社へ提出する日誌みたいなやつにアンパンマンの落書きをし、ぴろゆき憧れ大学生の典型みたいな戯けを書いていたと言うことぐらい。所長絶句)。本当に短期間で色々面白いことをやってくれたなぁ。非常に濃密であった。
あと余談だが、
バイト生Wはマジ良い子。どんぐらい良い子かっていうと、全部に一所懸命でクレームも起こさん。クレーム起こさないのマジ最高。不安がない。会話も滞りなく、わからないところを興味を持って訊いてるからか覚えもいいし、そんな感じでひと言で言えば出来が良いのでパート社員にも教育を任せられる。そして日々成長している。あと動きが可愛い。完璧じゃん。