前回、何か知らんが机の上にお菓子があった件をお話したが、
今日もなんだかよくわからんがお菓子があった。
しかも前回と違い差出人的な名前も何も無い。
白いでかい袋に無造作に入ったそれ。
中身は…
う、美味そう…
恐らくナッツとかいう女子力高そうなものだ。ソイツがココアパウダー的な何かを纏エンカウントってこちらを見ている…。
なんだかよくわからんがバカみたいに美味そうなそれ(写真の撮り方がアレだが実際はマジで美味そうだった)。
入っていた袋のデカさも相俟って、誰かがどこかで買ってきて、みんなに配って、その残りの一つを我輩の机に置いたんだろうか?と思っていた我輩。
ちなみに、普段なら何か置かれていて差出人の名前があろうがなかろうが気にせず、そのまま食って終わるのだが、今回は美味そうすぎたので人物を特定したくなった。
とりあえず目撃者がいるとすれば、我輩の席の近くに座っている自部署のパート社員ぐらいだろうと思い、
「Cさん、あの、これ誰が置いたかわかります?」
と訊ねてみる。
「いやぁ〜…名前無いの?」
「無いですねぇ…」
「名前書いとけばいいのにねぇ」
「そうっすねぇ」
全く情報は得られず。まあいっか(^o^)と(我輩の調査範囲は半径1.5m内まで)、袋に入った状態のそれをそのまま机の上に放置して仕事を始めた。
それから2時間ぐらい経過して。
ちょうど所長も休みだし、背後もそんなにヤバくなかったので、コイツを食してみようとデケぇ白い袋から取り出した。
どこで買ったものなんだろうか、そう思って裏返したりするもラベルは無し。
その時ようやく、この容器が密封されてたりテープで留められてたりするようなもんじゃないことに気がついた。
これもしかして手作りじゃね!?!!?
こんなに美味そうな女子力高い手作り。
一体誰だ!?
まず職場には一定数菓子作りが好きな人間がいて、たまに持ってきたりする。
そんな手作り菓子を我輩は割と貰う。毎日飢えてるせいか、あげたときの反応が良いんだろう(手作りに限らず。あげ甲斐があるとか言われたことがある)。確かに、実際何か食い物をもらったときは反射的に結構喜んでいる。
だがまあ手作りってやつは当たり外れが多く、ほぼ外れ、当たりでも普通ぐらいの味だ。貰っといてすまんが、手作りってのはそういうもんなんだよ!!(それを知った上でも反射的に喜ぶクセが直らない)
一応何をもらってもなるべく完食するようにしているが(食い物だし)、ときに我輩を開発実験に使ってるんじゃないかと思うほどに強烈なレベルの手作り菓子とエンカウントすることもある。
中でもこれまでで最も強敵だった手作り菓子は、カロリーメイトの100倍ぐらい吸水性が高い菓子だ。貰ったときは本当に暗殺兵器かなんかだと思ったし、完敗した(あとのことはご想像にお任せする)。
あれをくれた人物は、腹持ちがいい菓子を作ったとか言ってたが、腹持ち以前に食道を通らない状況だったため、ちゃんと味見したのかが気になる。それともなんだ、我輩はやっぱ毒味係なのか?!
とまあ手作り菓子ってのは、時に敵となり得るそんなものである。
だが、一人ばかり、社内に手作り菓子を飼い慣らした手作り菓子使いがいる*1。
それは、最古株社員のI氏、40後半か50前半ぐらいの歴としたおっさんだ。
※I氏はこの労災一歩手前記事での部署内で最も勤続年数が長いと説明した社員I氏と同一人物。
I氏がどれぐらいすごい手作り菓子使いかを説明しよう。
まだコロナが流行るちょっと前のこと。
休憩室に誰かが買って、食ってどうぞ(^o^)と置かれたミスドがあり、その箱の横にちょこんと、やんわりラップに包まれたクソ美味そうなものがあった。説明するなら、チョコのパイ生地にチョコが挟まってて、その上に生クリームとなんかうまいチョコが乗ってうっすらココアっぽいのがかけられてるみたいな、なんという名前かは知らんが、とにかく美味そうであった。
こんな美味そうなモノがミスドにあるんだな、と思って食ったら、見かけ倒しでは無く本当に美味くて、というか今まで食ったミスドのどれよりも、最も美味かったので、
なんだこれ!?なんて名前か知りたい!買いに行く!
と思ってたら、I氏の手作りだった、というほどである。
I氏はデカい。太っているというよりはガタイがいい(まあ肉も付いてはいるが)。
で、曰く、自分は食えないらしい(糖尿で)。それでもただ菓子を作るのが好きらしいのだが、家族もそんなに食ってくれないとのこと(子どもが反抗期なのか知らんが)。
それで作ったもんを職場に持ってきて配っていたりする。つか自分は食えなくて作るのが好きって、まあまあ理解の範疇を超えてるが、これがガチ勢なのか…?
でまあ、我輩は先に述べたように、食い物をもらうときの反応が良いらしく、もらうことが多い。I氏からも然り。
そんなこんなで、色々頭を巡らせた結果、今回机に置かれていたナッツの美味そうなヤツも、美味いものを作れる人物が社内にI氏以外いないわけであるし、消去法的に、手作りだとすれば作り手はやっぱI氏?との考えに行き着いた。
が、I氏は仕事中バタバタしているので(多分いつもキャパオーバー)、真相を訊ねる隙が無い。それにナッツのコイツは容器も含めて女子力極まりすぎてて、いつものI氏の手作りと毛色が違うようにも感じた。
ま、もうよくわからんが、とりあえず食べよう(^o^)と思った我輩。
パカッと開けてつまんでマスクの内側に手を突っ込んでコソッと食う。
うんっっっっっっま!?!!?
なんという名前かわからんナッツにチョコがコーティングされてて、その上からココアパウダー的なもんが…と、菓子作りのことも名称も正直わからんので説明できないがとにかくバカみたいに美味い。他にもナッツ、また更にちょっと違うナッツ、とにかくナッツ、美味い!!!
我輩は決意した
絶対に人物を特定する、と。
特定して、
お礼を言って、
めちゃくちゃ褒めて、
また作ってきてもらいたい!!!!!
そうして我輩は盛大な下心のもと、チャンスをうかがい続け(文面が誤解生みまくりそうな感じになってるが、そういう意味ではない)、
ようやくちょっとバタバタ感がマシになったI氏に、今しかない!と感じ、声をかけた(I氏の席は我輩の斜め左横)。
「Iさん、お菓子作りました…?」
「あー、うん」
何か(仕事)しているI氏は、振り向きもせずクソ素っ気なく返答。
良かった!!I氏だった!!当たった!!何でこんな女子力高そうな物作ったのかは全然分からんがすげー!!
今、目の前に、美味いモノを作ってくれる菓子職人がいる、この機会を無駄にするわけにはいかない。
我輩はここぞとばかりに、
「あー!!やっぱりIさんだったんですね!!めちゃくちゃ美味しいです!美味しすぎですねこれ!!凄いです!!」
と、美味いと凄いをアホみたいに繰り返した。
そんな我輩に対し、返事してんだかしてないんだか分からんI氏。
・・・(^o^)
・・・(´・ω・`)
全然チャンスちゃうかったやんけ(´・ω・`)、と思いながら、まあいいや、伝えたぞ、伝えたからきっとまた作ってきてくれるよな!と勝手に期待を込め、満足した我輩はようやく仕事に戻った(仕事してなさすぎである)。
それからちょっとして、またバタバタしているI氏。
仕事してるんだかしてないんだかといった感じでまあまあ暇している我輩(今日は割と暇だった)。
バタバタバタバタと、I氏が我輩の席の横を通り過ぎるその瞬間である。
「あ、またみんなの分作れそうだったら作ってくるんで」
I氏は確かにそう言った。
わー!!我輩の言葉ちゃんと聞いてたし効いてた(^o^)!!
己の言葉の効力を実感しつつ、その言葉に、ありがとうございます!!楽しみにしてるで候(^o^)みたいな感じで喜び返事をした我輩。その心の内では、別にみんなのとかはどうでもいいから大量に作って我輩にくれんかな、とか最低なことを思っていた。
ちなみに菓子は、休憩中にもボリボリ食って、ちょっと勿体ないから残りは明日食おうと残した。あとナッツだからか腹持ちがいい*2気がして、助かる(豆類というかそういうのって、腹持ちいいとか聞いたことある気がする)。
前にもらった吸水性だけ極めた暗殺兵器。アレを作った人も、ナッツ使って腹持ちがいい菓子作りに再挑戦したらいいのに(´・ω・`)
そんな、どの分際でほざいてんだと言いたくなるような、余計な思いが頭をよぎった。