おんどれぇ!みたいな感じで、久々にブチギレている客からの電話を取った。しかも関西弁。関西弁のキレ方って度が違うよなと毎度思う。
ちなみに、
関西人でめちゃくちゃおっとりしてる人(男性)と量販店員時代に働いたことがあるのと(とてもいい人だった。たまに関西弁出る人だなと思ってたら大阪府民と聞いて驚いた※府民の諸君に喧嘩売ってるわけでは無い)、
現職場にも関西人で関東人みたいな人がいるのと(※どちらにも喧嘩を売ってるわけでは無い)、
驚くほど低姿勢の関西弁のお客にあたったことがあるので(とても申し訳なさそうに話すおっちゃんだった、人が良すぎるためとても申し訳なくなった)、
関西人=チャキチャキすぐキレるみたいな固定概念は一応、無い。
そういう、イメージとか偏見とか先入観とかそんな問題では無く、事実として、関西人の怒りのパワーはそのほかの地域に比べると、何か違う。それは確かに言葉の違い(関西弁)だけが原因では無い。
なんというか…そう、パワフルだ、パワフルすぎる。きっとあれはアングリーパワフラーとかいう特殊能力だな。
でまあ「お前ラァ!わかっとんのかぁ!?あ゙ぁ゙!?」みたいな感じで(細かいことが思い出せないが終始こんな感じであった)めちゃくちゃ怒ってた関西人の客。
何やら、購入家電の配送設置を担当した者(業者)の案内・対応に関する内容である。
修理系の内容じゃなくてよかった(^o^)と思い(修理系だったら我輩が対応せねばならん)、配送工事課へと対応を回すべく情報を聞き出しながら、
「大変申し訳ございません(>_<)」
「恐れ入りますが確認の上、担当部署より折り返しさせて頂きます(>_<)」
と伝える我輩。
だが、「ああ」と承諾の返事をしたかと思えば、次の瞬間にはまたオラオラとキレ出すお客。
クレームは初手対応で余計なことを言ったらアウトである。
なので、そんなお客へ我輩はアホみたいに、同じ言葉、”謝罪”と”折り返しさせて頂く”を繰り返す。
お客は、あなたに言ったところででしょうけど、的に言いつつ、すぐまたオラオラ。
聞いてるのか聞いてないのか、頭に血が上りすぎてるのか分からんが、一生折り返しさせない勢いである。
いやだから折り返すっつってるのに!!今キレ続けても話進まんぞ!?
実はめっちゃ我輩と話したいのかもしれないと思えるほどのエンドレス。10回以上は繰り返したかもしれん。
我輩はさすがに疲れた。
なので、多分こんな声出したらイケんじゃね?と、思いついたまま、もうめちゃくちゃ悲しそうな声で「折り返しさせて頂けませんでしょうか(´;ω;`)?」と言ってみた。
そしたらマジでイケて、「おう、あんま待たせたらおこだぞ」的な事を言われつつ終話。
やっとかよ!と思いながら、急ぎ配送工事課へ情報を持って出向く(っつっても、目と鼻の先)。
もちろん管理職の社員のもとへ、である。
というか配送工事課には社員が多い。そのうち半数以上は管理職持ちだ。
であるから、クレーム処理は出来て当然であるわけだ。我輩からすれば。
ちなみにお客の話が正しければ、たしかに配送担当は変な案内をしたな、というような内容であった。なんというか、言わんとしてることは分かるけども、誤解を生むような案内というか、説明不足というか。
なので、このお客は怒り方が異常なだけで、怒る理由自体は理解できるものでった。
だが、クレームってのは、一方の話だけを聞き鵜呑みにするのではなく、まずは事実確認を行っていく必要がある。
それはその担当の課の社員がすべきことだ。我輩だって、己の課に関わるクレームを対応するときはそうしているし、それが当然だと思っている。
そんなわけで、
「かくかくしかじかでこんな案内を受けたらしいです、配送担当の対応に関して相当お怒りのクレームですので、対応よろしくお願いします。あとどうにか折り返し了承頂けましたが、あんま待たせんな早くしろっつってました(^o^)」
と、説明し配送工事課社員、U氏へ引き継いだ我輩。
U氏とはあんま喋ったことはないが、割と真面目そうであるし、多分年上だし、そもそも管理職だ。ついでになにか変な事しでかしたのも見たことはないので、問題ないだろうと思っていた。
きっと配送担当へ連絡を取り、事実確認をした上でしっかり対応するだろうと。
そう、思っていた。
のだが。
30分ほど経った頃。
我が課のパート社員が、
「クレーム出した者だけど担当はいるか」って▲▲様という方からお電話が入っているけど…
と、困惑げに、我輩へと声をかけてきた。
▲▲様ってさっきの関西弁の客じゃねえか!!
あれ!?社員U氏がいない!?
どこ行ったんだアイツ!?
忽然と姿を消した社員U氏、電話越しに「遅い!」とキレているらしい関西人客。
折返しも拒む(遅すぎて二度目は無いぞって事だろうが)お客を保留で待たせるはめになり、さすがに長時間保留は申し訳ないし避けたいので、電話もせずに消失したワケのわからんU氏の個人携帯へ電話。
「はい、Uです」と真面目そうな声で電話に出るソイツに、何してんだコイツ?!と苛立ちながら我輩は、
「お疲れ様です、ボロボロですけど、Uさん今どちらにいます?先程引き継いだ方、今ご連絡入ってるんですが」
とほぼまくし立てるように言った。
それに対し、U氏が放った言葉。
「いや、あの、配送した担当に連絡するようにって引き継いだんですけど…」
配送担当に引き継いだ!?
こいつ頭湧いとんのか!?
その配送担当の対応が怒りの要因っつっただろうが!
まさしく火に油状態を引き起こそうとしているU氏が理解できず、
「引き継いだんですか!?そんな問題じゃないですよ!?」
と、ほぼキレた状態でそう言うと、「すぐそちらに向かいます」と電話を切り戻ってきたU氏。
「待たされて更にお怒りの状況で、まったく折返しもさせて頂けなくなってますよ」と言い、保留状態のお客、すなわち爆弾を、U氏へ引き渡した我輩。
社員は自課のパート、バイト以外にも、業者もまとめる立場にある。つまり業者がいる課は、社員が業者を指導するのだ。もちろん完璧に指導はできないだろう、我輩だってそうだ。
だからこそ、己の下につく者が何かしでかしたとき、己の指導方法に責任を持ってカバーするのは、本来社員でするべきこと。※あと何かあったときも(変な客に当たって困ってるときなど)。
社員が出てくる、それこそが会社としての対応だと思ってるし、何より自分を客の立場に置き換えても、社員が出てこず担当の個人責任にする会社とは絶対付き合いたくない。
…ってのは社畜意見かもしれないが、そもそも、そういう社員と業者、社員とパート等の関係を無しにしてもだ。
怒らせた張本人に「んじゃ、怒ってるからよろしく(^o^)」的に引き継ぐとか、さすがに頭おかしすぎる。普通鎮火させるために第三者が介入すべきとこだろう。事を荒立てる気満々じゃねーか。神経を疑うね。
まあ、このU氏は、その業者の尻拭い的クレーム処理を避けようとしたんだろう。恐らく配送した担当業者へ、ただただ丸投げしたと思われた。
事実確認などした様子もなく。
その結果、会話不十分で、配送担当も状況を軽視し、連絡を後回しにした模様。
連絡しててもこじれたはずなので、逆に連絡してなくて良かったとは思うが、その結果「おせーぞぶっ○すぞ!」という怒りの催促が来たというわけだ。
状況確認やら事実確認やらの確認を怠った結果、爆弾を丸腰で受けることになったU氏を見ながら、
コイツこんな判断力欠如したアホだったんかー…と思いつつ、我輩は普通に己の仕事に戻った。
それからしばらくして。
結構長い間、そのお客と電話をしてた様子のU氏は、その配送工事課の長、副所長S氏に何やら相談をしていた。
※S氏とはこの記事のコロナ副作用のS氏、現在元気。
「お前悪化させてんじゃーん」と言っているS氏のバカでかい声が聞こえる。
我輩は、うわwww悪化させたんかwwwと思いながらその会話を聞いていた(つってもS氏のデカい声しか聞こえないが)
その後も「なんでお前悪化させてんの?」「悪化させてんじゃねーか!」「悪化させてんだよなぁ」という悪化悪化という言葉が耳に入ってくる。恐らくその合間にU氏がなにか説明しているんだろうが、マジでU氏の話してる内容は聞こえない。
U氏の声が小さいのか、S氏の声がデカすぎるのかで言えばどう考えても後者だが。
「これお前、終わらせられる自信あんの?」とS氏がU氏へと訊くのが聞こえた。
いや無理だろ!絶対ムリだろ!お前まだ対応しようとしてんの!?大人しく副所長S氏へお願いしとけよ…!と思っていれば、U氏の「いや…お前じゃ話にならん的な事は…」というその言葉だけはなんかうっすら聞こえた。だろうな、悪化させたってそういうことだよな。
それからS氏のデカい溜め息とボヤキ的な声のあと、2人が会話内容を録音してあるPC、我輩のすぐ後ろ側の方へと歩いてきた。
S氏がそのPCをポチポチして。
聞こえてくる関西弁客とU氏の電話のやり取り。
自業自得だが、配送担当から得られる情報も得ずに、事前準備ゼロで挑んだU氏が、お客から「状況分かっとんのか?じゃあ言ってみろや」と詰め寄られ、説明させられているのがわかる。
それに対しU氏は理解していることを伝えようと説明してはいるものの、若干こちらの対応を正当化しようとしているのが分かった。
うわぁ…これじゃ余計怒らしちまうぞ…というような状況。
その録音を聞きながらS氏も、
「お前言い訳してんじゃーん」
「駄目なんだよなぁ」
「いやこのお客さん間違ったこと言ってないよ」
「謝罪が無いんだよ、まず謝罪が先だって」
「こじれさせてんなぁ」
とかなんとか言いながら、ひと通り聞き終わり(その間我輩の耳にも入ってくるので気まずかったが、バツが悪そうにしているU氏はちょっと面白かった)、また二人はもとの席へと戻っていった。
「いやぁ、これ、俺で落ち着かせられるかなぁ」
「俺で無理だったら本社行きだなぁ」
という、S氏の、無理だったときのための予防線的な言葉が、いくつか聞こえてきたあと。
「よしかけてみるか」
で、始まった第2ラウンド。
S氏が、関西弁のお客と会話をするバカでかい声が所内に響くわ響く。もう本当に響き渡っている。
S氏は媚系や人を気持ちよくする話し方が上手かったりするので、さすがにこの対応も上手く感じた。普段何も仕事をしてなさそうに感じるが、こういうのを聞くと、なるほどな、上に立つだけあるのかもな、とか思ったりする。
謝罪の言葉から相手への同調、次第に、笑い声も聞こえてきたりと(クレーム言ってきてる相手と笑いあえるってどうなってんだ?コミュ力の賜物か?マジで謎なんだが…)、
相当長く話している中で徐々に会話の空気の流れも良い方に変わっていった。
相手の懐に入り込めた感じが伺え、いやぁマジで上手いなぁと感じながら聞いている我輩の、退社時間がそろそろ近づいてきた頃。
会話に終わりが近づいてきているのが感じた。上手いこと決着がついたようである。
そして…
「42ふ〜ん」
と、余裕が戻った様子のS氏が、受話器を置きながら発した言葉が、これまた響き、闘いは終わりを告げた。
ちなみに、配送工事課は全員調子に乗っており(会社が力を入れてるため)、正直なところ日頃からいけ好かん。※彼ら一人一人と話せば人が悪いわけでは無いしいい人もいるのだが、課として見たときというか、課として群れた瞬間にS氏を筆頭にカースト上位感を醸し出してきてクソ腹立つのと、社内2トップのかわいい(美人)パート社員を侍らせているのでプラスαで腹立つ。1人だけにしとけや!
なので、
42分も話してたのか。ざまぁwwwたまにはこういう思いしやがれ!
と我輩は内心、ひとり喜んだのであった。
S氏は、上手くまとまり安心したのだろう。
少ししてから、
残って対応結果を待っていた、怒らせた張本人である配送担当と二次クレームを起こしたU氏に、色々デカイ声で、状況の報告や今回の対応に関する注意をしているようだったが、我輩はその頃には帰るのに忙しくて内容は聞こえなかった。
にしても、本当にアホはアホなんだなと思う。
それか、調子に乗ってる課に所属していることが徒となった驕りか?感覚がおかしくなっているのか?
まあとにかく、適当に逃れようとしたU氏がしっかり二次クレームを起こし、無事真面目の皮が剥がれたので良かった良かった(個人的に)。
こうやっていつも調子に乗ってるヤツらが怒鳴られたりヘコヘコしているのを見ることが出来るなら、ブチギレクレームを1発目に受けるのも悪くないと思える。
…いやでもよく考えたら、前、配送工事課のクレームを我輩が対応したんだったぞ。
そのとき、結構長い話を全部聞いて(勘で全部聞くのがベストっぽいパターンと判断した為)詫びまくり、内容が内容であったから「明日、上の者からもご連絡させて頂きたいで候」と言って終話。
翌日、本来はS氏に回したかったが休みだった為、出勤だった所長へ引き継ぎ。所長が電話したところ、お客は「ボロボロさんに聞いてもらい落ち着きました」的な事を言い、大分穏やかな状態で話は終わってしまったらしかった。ぜひ所長相手にも怒ってほしかったんだがな。嬉しいんだか悲しいんだか…。
とりあえず、我輩は怒られたくないので、我輩に関わらないクレームだけが来ることを強く固くバッキバキに願う。 アーメン。