ようこそ諸君、ボロボロ皇帝だ。
我輩は滑舌が馬鹿である。
あばばばば(^o^)となって何言ってんのかわからなくなることはよくあることで、
酷いときは恐れ入りますを恐れておりますと言ったり、
最終的にはバケモノみたいな音を喉から発してしまったこともある。
相手には大変申し訳無いと思っているが、あああ相手になんて思われたかな(´;ω;`)なんてくよくよするのはもうほぼ無くなった。考えたとて無駄だからである。
恐らく滑舌というのは運動神経と同じようなものだ。
運動神経は、遺伝要素もあるが、経験のほうが大事らしく、幼少期(とくに8歳までが重要)に運動する機会を増やしまくって色んなスポーツと触れ合い頑張れば、神経回路が刺激されて良くなるらしい。
ちなみに我輩は、遺伝的に見ても大した運動能力は無いし、幼少期はPSでゲームしかしていないガキだったので神経回路の発達状況はきっと悪かろうと思う。
それを今からどうにかしようなんて思っちゃいないが、思ったとしてもきっと長きに渡る道のりだろう。遺伝と幼少のどちらの条件も満たしていないからである。
そんな運動神経と同じっぽそうな滑舌。
我輩は滑舌もベロ筋も鍛えたことは無い。
仕事でこそ喋らねばならんから喋ってはいるものの、日常生活では人並み以下しか喋っていないし、大事な大事な幼少期時代の経験を思い出してみても、我輩は人見知り先天性コミュ障であるからそんなに外部の人間と喋ってこなかったと記憶している。
そうなると経験値は低い。
遺伝に関しては知らん。
そんな外部との接触を断ち(コミュ障だから)健全な神経刺激経験をしてこずに大人になった我輩が、喋れないけど歌えるぐらいに、喋れないのは当然のことなのである。
そして我輩が今から滑舌よいペラペラマンになるなど、我輩が今からアスリートになるレベルで無理な話。
ペラペラマンと言えばアナウンサーである。
諸君は A=B=C → A=C というこの方程式をきっと見たことがあるだろう。
ペラペラマンになる=アスリートになる
ペラペラマン=アナウンサー
アナウンサー=ペラペラマン=アスリート
つまり、アナウンサーはアスリートなのだ!!
そんなわけだから滑舌よくすることは無理と思っており(努力も出来ない)、もはや向上心すら無い。
だが我輩は欲張りにも巻き舌を求めてしまった。
舌回ってなんぼっぽそうな巻き舌を。
非公式だが公式のもので昔の映像が無いので、とりあえずこの動画をぜひ見てくれ。
そうだ、
米米CLUBのShake Hip!である。
Shake Hip!は好きな曲の一つなのだが、とにかくこの石井竜也の巻き舌がカッコいい。
というかまあ石井竜也は意味が分からん、顔も良くて歌もうまいわけだからな。
よくイケメンで歌がうまいと言えばレジェンド尾崎(尾崎豊)が挙げられているイメージだが、石井竜也に関してはオッサンになってもなお、顔は良いし、歌も現役と変わらず上手いし生ける伝説であると勝手に思っている(女癖が悪いというクソそうな情報に関しては置いといて)。
巻き舌が出来ない我輩は思った。
我輩も巻き舌したい!
喋ることはもうどうでもいいから楽しく歌いたい。気持ちよく舌巻きたい。
Trrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrr(^o^)
みたいな発音したい。
そして我輩の通勤時間を使った特訓(自主練)が始まった――。
dるぁ!
dぁ!!!
tぁ!!!!!
みたいな奇声を発しながら、
仕事と家を行ったり来たり。
我輩は一回やりたいと思ったら結構しつこく繰り返す。なのでとりあえず一日でちょこっとだけ巻けるようになった。が、持久力がなかなか身につかない*1。
石井竜也みたいなエンドレス巻き舌が出来ない。
それから何度も繰り返して当初より大分マシになったものの、
その巻き時間、0.5秒未満、頑張って0.7秒ぐらいのしょぼしょぼ巻き舌である。
しばらくして、もう一応巻けるようになったからいいや(´・ω・`)程度に感じるようになった我輩。
そのうち特訓することは無くなり、次第に、滑舌バカなただの日常へと戻っていった――。
ある日のこと。
我輩は滑舌に気をつけながらお客と電話で話をしていた。
滑舌に気をつける、というのは、明朗に声を張りながらゆっくり話すと言うことである。
声を張るとは、力を込めるような状態だが、我輩の場合ここまで気をつけないと、すぐに舌がもつれてれろれろのラリラリになってしまうのだ。加えて我輩は元々早口である。
つまり早口で滑舌が悪いというオタクの悪特徴全詰めみたいな奴なので、ゆっくりも欠かせないのだ(同僚相手やパート社員相手とかだとあんまり集中していないのでれろれろしている)。
そんな感じでれろれろしないようにと気を張り、お客の言葉に真剣に返事をする我輩。
「――かしこまdrぃました(`・ω・´)」
・・・(`・ω・´)?
!?
なんか舌がおかしくなった??
ん?力込めすぎた???
いやそんなつもりじゃ…なかったんだけどな。
明らかにおかしかった己の発音に驚きつつも、客との会話を進めていった。
それから、また別の日。
「――そうdrぇすね(`・ω・´)」
!?!?!!!?!?
またも己の発した音に驚く我輩。
もうこれは無視しようのない現実であった。
どう考えてもこれは、
巻き舌。
同時に、我輩は気づいてしまった。
巻き舌の練習をしすぎて、
己のベロが巻き舌仕様になっている
という、恐ろしい事実に。
染みつくだけ染みついてしまったこの巻き舌。
こんなハズでは無かった!!!!
我輩はただ巻き舌で歌を歌いたかったのだ!!
それが、
クソみたいな持久力で歌にはうまく活用できないし
絶対巻いちゃいけない、むしろ巻きたくない場面では巻いてしまうし
こんなにも手に負えない存在になってしまっていたとは…
もはや、こやつは、暴れ竜である!!
石井竜也に憧れただけなのに、暴れ竜を口の中で飼うことになった我輩。
暴れ竜がいなくなることはなく。
頻度は高くないのが唯一の救いだが、いたずらっ子的にたまに顔を出し不意打ちで攻撃を仕掛けられるような状態はちょっと困る。
しかも声を張ろうと力んでいるようなとき、つまり注意しながら話さなくてはいけない相手と話している時に起きがちなので正直慌てる。力まなければいいのかもしれないが、そうなるとれろれろするし、もう八方塞がりである!!
口の中で竜が暴れる度に、まるでどっかのチンピラみたいな語気になってしまう我輩。とりあえずそうなってしまっても、何も起きませんでした風に、低姿勢で話し続けることにしている。
それは悪滑舌で何度も噛んできた我輩が自然と身につけた(クソみたいな)術。まさかこんなところで役立つとはな…。
舌がもつれてあばばばば(^o^)となっても、舌(竜)が暴れてDrぁ(^o^)となっても、きっとそれは幻聴なのだ。聞こえぬ聞こえぬあーあー(^o^)
というわけで、
石井竜也にはなれず、ただただ二重苦になってしまった、という話であった。
*1:指笛もそんな感じで急にやりたくなり指くわえて吹きまくってたらすぐ音は出るようになったものの、力強さが無いへっぽこ状態である。