本日出勤したら、
「ボロボロさん、おはようございます」
と小柄なパート女性がお辞儀でおはようの挨拶をしてくれた。
その瞬間、ん?なんかあるんかな?と思いながら同じようにお辞儀で挨拶し、
「どうしたんですか?」
と訊ねると、
「U社が廃業になりました」
困惑したように告げられた。
ようこそ諸君、我輩はボロボロ皇帝。
出勤して聞かされた廃業に「えっ、U社が?えっ…」と間抜けな反応をした我輩。
それくらい一応小さいながらも有名メーカーであるし、何より入社して8年ほど経つが、〇〇社が中国企業の傘下に入っただとか、映像事業を売っただとか、合併だとかは聞いても、有名所のメーカーで廃業という単語を聞いたのが今回初めてだったということもある。
あの扇風機〜小型冷蔵庫まで手広く安価な製品を作っていた老舗メーカーU社が…という感じである。
ちなみに家電量販店側として、この廃業は今後も一応関係のあること。
なぜなら我々小売店はメーカーから仕入れて販売してアフターサービスまでを長期修理保証という形で付与しているのだ。
ちょっとここで家電量販店豆知識(^o^)↓(どうでもよかったらすっ飛ばしてくれ)
どの量販店も同じかは知らんが、
我輩が務めている会社の保証規約では、
万が一、家電製品メーカーが倒産したのちに、当社長期修理保証を付与している当該製品の保証適用可能な故障修理が発生した場合には、
初回修理の場合…保証限度額分で製品交換(限度額超える差額とリサイクル料金だとかはユーザー負担、保証はメーカー保証のみで延長不可)
二回目以降の場合…保証限度額の残額分をポイント加算
となっている(2021/3/1時点)。
※保証限度額ってのは購入時の金額で、修理する度に減る。
(限度額に関しては量販店毎に仕組みが違う。年ごとに減価償却的に減ったり○年以降一部ユーザー負担になる仕組みをとっている量販店もあれば(これが最も多い)、減らないぜってところもあったかと。減らないところいいよな。テレビだとか付与対象製品買うなら加入料を加味しても減らないところで買いたいでござる※テレビはパネル故障が発生すると限度額オーバー待ったなしである)
ちなみに、保証適用可能な故障修理ってなんやねんとお思いの諸君へ補足である。
だいたいメーカー含めどこの保証も同じだろうが、キカイテキなシゼンコショウであれば保証対象内。
つまりざっと説明すると、物理的に割ったり割れたり使い方誤ってぶっ壊したり環境悪くて錆びたりそもそも故障ではなく手入れ関係だったり消耗品は保証できないよ(^o^)という意味である。※他にもたっっっっっっくさんあるのだが保証規約紹介記事ではないので割愛する。
ここまで保証とかの話↑
とまあ、廃業を聞かされなんだかおセンチな気持ちになりながら(別にU社に特別な思い入れがあるわけではないのだが)、廃業案内が書かれたそれっぽい紙を渡されて目を通すと、2月28日で廃業と書かれていた。
そして今まさにそのU社製品の修理依頼が入っていると、その小柄なパート女性は困っており「これどうすりゃええの?」と言っていたのでそのまま引き継いだ我輩。
それよりも、と我輩の頭の中に湧いてきた疑問。
なぜこんなにも急なのだ?
普通廃業って事前に知らせるよな?
さすがに廃業後に知るとかおかしくね?
ありえないよな。
と思って公式サイトを見てみた。
やっぱ2/1で告知してるじゃねーか!!!!
情報共有!!おい!情報共有!!!!!
上長あたりにはさすがに本社からメールだとかで告知内容来ていたんじゃねーのと思うがよくわからん。
※最上部から順に下へ下へと降りてくるような情報は、一定の確率で神隠しにあうことがある。
FAXでなにかしら(休業だとか)告知してくるメーカーも多いが告知系のFAXは5割ぐらいしかまともに共有されない。
(もうFAXとかいうオフィス内で無駄に鎮座している古代遺跡は早々に取っ払うべきだ)
それに、なんだかんだ小さいメーカーのことは見落とされがちだからな。
逆にそのメーカー側に関しても、小さいところだと空気のようなこじんまりとした告知の仕方をすることもあるし。我輩でも小さいメーカーだったらこんな嬉しくもない告知、わざわざ大々的にやらずこじんまりやるわ。
T社が映像事業を売るとなったときは大ごとだったし、上から事前に公表前に知らされていたので、はやりメーカーの規模によることは確実である。
とりあえず、引き継いだ分は、有料修理希望ユーザーだったので、早急に連絡。
廃業ってなんで知らなかったの?とかツッコむ人はツッコみそう(ツッコんでもどうにもならないことを、そのやるせない気持ちに乗せて歌うかのようにツッコむ人は少なくない)だが、どうだろうかと身構えていたがとくにそういうことはなく。
アフターサービスのみはしばらく対応とかいうこともなく完全廃業であるため、修理できぬでござる、と言うしかできないまま、説明とお詫びと諸々の話をしながら対応を終えた。
コロナコロナでも家電の業績は不調ではないのでコロナの影響というよりは、単純に競合に売り負けていただけなのか。
時期的によくわからないが、いくら小さい規模とは言えど知らぬ間に(知っとけよ)老舗メーカーがひっそりと一つなくなるというのは、なんだか切ない気持ちになるなと感じる、今日この頃である。